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学校の歌ができるまで(桜咲く園)

桜咲く園
・詞 財部一朗
・曲 元橋康男

昭和六十一年七月、本校から車で二十分の地に分校、富士自然の村研修センターが建設され、指導力、上級、セールス特訓の各コースが移された。この地の自然環境は段違いにすばらしく、富士の眺めが凄い。

学校は岡の上、眼下に人口十二万の富士宮市街が広がり、その先にドーンと雄大な富士が迫る・・・。

指導力、上級コースの講師から、訓練歌が欲しいとの要望が出た。これを受け財部は構想を練った。新しい環境が刺激的だった。これまで彼は訓練生の報告書 の中に、詩の題材を探った。この詩ではそれをやめ、コースの主役、リーダーそのものをテーマの中心に据えた。

リーダーのあるべき姿は何か。力弱くも、人の上に立つ者はかくあるべきとのとの願いをこめる。研修を受けたリーダー達が、帰社して遭遇する戦いの姿を想定し、苦闘の中から栄光をつかむ過程を描こう。

大学四年の秋、財部は仲間三人とテントをかつぎ、伊豆の山を一週間歩いた。仲間の一人が作曲担当。もう一人が先頭に立って急坂の草原を下っていた。
その友が足を滑らした。鮮やかな尻餅が目の前で起こり、二人は声を上げて笑った。暫く歩いて彼は再び滑った。
我々は声を上げて笑った。彼は激しく怒り、二人は 笑いを消した。その彼が、またも滑った。三度目だった。今度は二人は笑いをこらえ、慎重に歩を運んだ。

この時の体験が記憶にあった。リーダーを描く詩は、先頭をゆくという言葉につながった。・・・負けてなるか。・・・冷たい視線、が浮かんだ。そして泥にまみれる。ここまでは自然に出た。・・・と思う。

問題は雪だ。この言葉がなぜ出たのだろう。しかも春の雪・・・、幸運だった。春の雪。美しい言葉が二つ重なる。が、春の雪は美しくない。積もらず、すぐ溶け、泥と化す。
「泥にまみれて、春の雪降る」詩には泥と雪という対比的情景を描写する。雪の中、泥にまみれるリーダーのみじめさと美しさが、求めるリーダー像であった。

この「桜咲く園」と「セールス鴉」がなんとカラオケになった。人の歌をカラオケで歌っていたのが、自分の歌をカラオケで歌える。以後、作詞家はスナックでもてた。作曲家・・・?彼ハ一人デ、スナックニ行ケナイ。・・・情ケナイ。

(以上、筆:財部)

昭和六十一年冬、作詞の財部から「桜咲く園」の詩を渡された。作曲家のほとんどが同じ心境になる時がある。
それは渡された詩を初めて読む時の気持ちである。期待と緊張とが入り混じる複雑な一瞬。今回の「桜咲く園」の詩も全く同じ思いで、息をつめて一気に読んだ。

企業リーダーの苦悩と戦いを綴った一文字一文字からは重く、冷たく、そして厳しさがビンビンと伝わって来る。・・・すごい詩だ。感動した。さあ、どう料理するか、・・・このときから作曲家の戦いが始まる。

しかし、作詞者の財部は何と云うか…、あのBGMは…、不安な気持で青竹庵(東京都日野市にあった研究室)に向かった。出来たての校歌を初めて財部以下 スタッフの前で歌い、聞いてもらった。
財部から「いいよ・・・、とても良い!」と云ってもらい、さらに、あのBGMのメロディは式典歌として別に詞を書こうと云ってくれた。とても嬉しく、本当にホッとしたものだった。

  • “間近に実現したい夢求め”

重々しく、暗示を与えられる曲の冒頭を模索する。
まぢかにーじつげんーしたい夢ー・・・-・・・-のリズム型をモチーフとして展開させるイメージが固まった。曲は動き始めた。

  • “負けてなるかと 先頭行けば”

で勇気を持って自身をかき立て盛り上げる・・・。しかしやってはみるが思う様に行かず、静かに肩を落す。

  • “泥にまみれて 春の雪ふる”

されど再度気持を振り起こし

  • “北へ!歩くのをやめてはいけない”

この部分はリフレインによって更に強調して曲は終る。
昭和六十一年三月、曲は完成した。その場から作詞の財部に電話で歌って聞かせた。彼は電話口で「いいねえ、いいねえ」をくり返した。自分もイメージした 通りの曲に仕上がったことに、満足が出来た。(厳しさ、戦い、勇気、愛情、願望)が深くしみこんでいる曲となった・・・。

この歌は訓練生には訓練内容と自然、詩と曲が一致している。よって、この歌は彼らは涙なくして歌えない。

そうゆう一人に株式会社常磐第一興商の米田英雄社長がいた。卒業後、氏は学校にビックなプレゼントをする。「桜咲く園」と「セールス鴉」を第一興商の通信カラオケDAMに配信楽曲として登録して下さった。

今では全国のカラオケ、スナック他で歌う事が出来る。自分の曲が歌える事は、又楽しい事だ。過日、修了生の話を聞いた。「仲間とスナックに行き「桜咲く 園」をリクエストした。・・・するとほぼ同時にこの曲の前奏が流れた。
ずい分手際の良い店だなあ・・・と思った時、別のグループの一人が立ち上がり“まぢ かに実現・・・”と歌いだしたのには驚いた。たちまち意気投合、歌合戦となった。」との事である。

前号で作詞家はスナックでモテている様だが、一人デ、スナックニ行ケナイ、情ケナイ作曲家ハ・・・?最近、地方のスナックで「桜咲く園」を何回か歌っている。一人デハナイガ・・・情ケナイ。

(以上、筆:元橋)